「先生、今度は僕が教えたい!」

導入事例

~フリースクールで見つけた、子どもたちの新しい輝き方~

「説明、ちょっと緊張したけど、できた…」

放課後のフリースクール結(ゆい)の教室。
小学生の男の子が、照れくさそうな、でも誇らしげな表情を見せている。
数ヶ月前まで、人前で話すことさえ難しかった子だ。

この日は月1回の一般開放日。50人ほどの地域の子どもたちが訪れ、ドローンファイトを体験する日だった。
フリースクールの子どもたちが講師となり、ドローンの操作方法を説明する。

「このボタンを押すと…」
「あ、その向きじゃないよ、こっちだよ」
「うまく飛ばせたね!」

子どもたち同士の自然なやりとりが、教室いっぱいに響く。

安心できる場所から始まった変化

「最初は外の大会に参加してみたんです」と、フリースクール結の鎌倉さんは振り返る。

「でも、初めての場所で大勢の人がいる環境は、
特に発達障害のある子たちには少し難しかった。
だから、まずは普段から過ごしているこの教室でやってみることにしたんです」

慣れた環境だからこそ、子どもたちは少しずつ新しいことに挑戦できる。
最初は風船を狙って飛ばすことさえ難しかったドローン操作も、今では得意技の一つに。

「充電切れそう?自分で交換できる?」
「うん、もう大丈夫」

機械の操作が苦手だった子も、何度も繰り返すうちに自然と扱えるようになっていった。

「教える」ことで育つ力

月1回の一般開放日は、フリースクールの子どもたちにとって特別な日となっている。

「20分500円です」
「このあたりが安全に飛ばせるスペースです」
「初めての方は、まずここから練習してみましょう」

受付、案内、指導。すべて子どもたちが担当する。
この経験が、確実に自信となって積み重なっていく。

「最初は説明するのも怖かったんです」と鎌倉さん。
「でも、『分かりやすかった』
『楽しかった』という言葉をもらえると、子どもたちの表情が変わるんです。
次は自分から『やってみたい』って言ってくるようになる」

「もう一回、挑戦できる」という安心感

「あー、残念!でも、敗者復活があるから大丈夫!」

大会でよく聞かれる声だ。
ドローンファイトには、1回の失敗で終わらない
「敗者復活戦」という仕組みがある。
この「もう一度のチャンス」が、子どもたちに大きな影響を与えている。

「繊細な子が多いんです」と鎌倉さんは説明する。
「ちょっとした失敗で落ち込んでしまう。
でも、このドローンファイトでは『次があるから』と前を向けるようになってきました」

子どもたちが生み出す新しい遊び

「先生、新しいゲーム考えたよ!」

フリースクールの日常に、自然とドローンファイトが溶け込んでいく。
子どもたちは既存のルールだけでなく、自分たちで新しい遊び方を考え出すようになった。

  • スピードを変えての対戦
  • ドローンでの追いかけっこ
  • 的当ての新ルール

「面白い!」「それやってみよう!」
アイデアが出るたび、みんなで試して、ルールを改良していく。

大きなイベントでも活躍

夏祭りやハロウィンイベントでは、子どもたちが完全に仕切り役となる。
準備、受付、説明、片付けまで。
鎌倉さんは「ほとんどノータッチでできるようになりました」と誇らしげに語る。

「お金の管理も自分たちでやるんです。
『お客さんが楽しんでくれたから、また来てくれる』という経験が、とても良い学びになっています」

新しい可能性が広がる

この2年間での変化は、教育現場に新しい可能性を示している。

  • フリースクール
  • 放課後等デイサービス
  • 学童保育
  • 特別支援教室

どの場所でも、子どもたちの新しい才能を引き出すきっかけになるかもしれない。

「大切なのは、楽しみながら成長できること。
それと、安心できる環境があること」と鎌さん。

教室からは今日も、元気な声が響いている。
「次は、僕が教える番!」


詳細情報

フリースクール結について、より詳しい情報は以下でご覧いただけます。

運営団体

一般社団法人アキバコ

フリースクール結

※ドローンファイトの活動やイベント情報は、各SNSで随時更新しています。

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